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杜甫 李白を詠う
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・送孔単父謝病歸游江東,兼呈李白
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・夢李白二首 
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李白杜甫を詠う
行路難 三首  李白
魯郡東石門送杜二甫
沙邱城下寄杜甫

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■ 杜甫 李白を詠う


  11 春日憶李白


 11 春日憶李白  
 11 春日憶李白
白也詩無敵,飄然思不群。清新庚開府,俊逸鮑參軍。
渭北春天樹,江東日暮雲。何時一尊酒,重與細論文?

春日憶李白 杜甫 紀頌之の漢詩ブログ杜甫詩 特集  25

春の日に李白をおもって作った詩である。
746年天宝5載35歳の春杜甫がすでに李白と別れ、長安に帰ってからの作で、この時。李白は時に江南にいた。

春日憶李白
春の日に李白をおもう
白也詩無敵,飄然思不羣。
李白よ、君は詩に於てだれも匹敵するものがない、凡俗を超越しているその思想は世間なみの衆人と並べることはできない。
清新庚開府,俊逸鮑參軍。
清新なる君の詩風は、北周の庚信のようであり、それと俊逸な詩風は宋の飽照のようである。
渭北春天樹,江東日暮雲。
今わたしは渭北の春の大空に立つ大樹を仰ぎ見ている、あなたははるか江東の日暮の雲をみている。
何時一尊酒,重與細論文。
いつかまた一樽の酒を酌みかわそう、ふたたびあなたとくわしく詩文、作物について論じあうことができるだろうか。




李白よ、君は詩に於てだれも匹敵するものがない、凡俗を超越しているその思想は世間なみの衆人と並べることはできない。
清新なる君の詩風は、北周の庚信のようであり、それと俊逸な詩風は宋の飽照のようである。
今わたしは渭北の春の大空に立つ大樹を仰ぎ見ている、あなたははるか江東の日暮の雲をみている。
いつかまた一樽の酒を酌みかわそう、ふたたびあなたとくわしく詩文、作物について論じあうことができるだろうか。

(下し文)春日李白を憶う
白や詩敵なし 諷然として思羣ならず
清新は庚開府 俊速は飽参軍
洞北春天の樹 江東日暮の雲
何の時か一得の酒 重ねて与に細かに文を論ぜん




白也詩無敵,飄然思不羣。
李白よ、君は詩に於てだれも匹敵するものがない、凡俗を超越しているその思想は世間なみの衆人と並べることはできない。
〇白也 白は李白の名。名をよびかけたのは親しむ意があるのと、次の無敵を強調している。呼び捨てにしてもそのあとにくる語を最大級の褒め言葉にする子どで非礼はないのである。○ 匹敵するもの。○諷然 凡俗を超脱し拘束されぬさまをいう。「謫仙人」と称されていたのを意識している。○ 詩の思想。○不羣 羣は羣衆、世間なみの衆人、不羣とは羣に超えることをいう。


清新庚開府,俊逸鮑參軍。
清新なる君の詩風は、北周の庚信のようであり、それと俊逸な詩風は宋の飽照のようである。
清新 清らかにあたらし、さっぱりとして陳腐でない。○庚開府 北周の庚信。信の官位は牒騎大将軍・開府儀同三司。?信(ゆしん)513年- 581年 は、中国南北朝時代の文学者。字は子山。南陽郡新野の人。?肩吾の子。南朝の梁に生まれ、前半生は皇太子蕭綱(後の簡文帝)配下の文人として活躍した。侯景の乱後の後半生は、やむなく北朝の北周に身を置くことになり、代表作「哀江南賦」をはじめ、江南を追慕する哀切な内容の作品を残した。○俊逸 気象のすぐれていること。○飽参軍 劉米の飽照。照は臨海王の前軍参軍となる。鮑照(ほうしょう)412 頃-466 六朝時代、宋の詩人。字(あざな)は明遠。元嘉年間の三大詩人の一人として謝霊運・顔延之と併称された。 擬行路難 , 代出自薊北門行



渭北春天樹,江東日暮雲。
今わたしは渭北の春の大空に立つ大樹を仰ぎ見ている、あなたははるか江東の日暮の雲をみている。
渭北 北にある渭水のあたり。渭水の附近をさしていう。渭水は長安の北に在り、丘陵地で陵墓が多くある。杜甫が居ることを示している処。次の句の江東と対している。 ○江東 江南と同じ、長江下流の東南、これは李白の居る地方をいう。


何時一尊酒,重與細論文。
いつかまた一樽の酒を酌みかわそう、ふたたびあなたとくわしく詩文、作物について論じあうことができるだろうか。
 こまかに、くわしく。○論文 文学上の製作物について語りあう。
上下の真ん中左から右へ渭水が流れる。
渭北:渭水は長安の北に在り、丘陵地で陵墓が多くある。杜甫は横門橋を渡ったあたりに居た。



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