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杜甫 李白を詠う
・贈李白[五言律排]
・贈李白[七言絶句]
・送孔単父謝病歸游江東,兼呈李白
・遣懐 
・冬日有懐李白 
・春日憶李白 
・飲中八仙歌 
・夢李白二首 
・天末懷李白 
・昔游 
・不見

李白杜甫を詠う
行路難 三首  李白
魯郡東石門送杜二甫
沙邱城下寄杜甫

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李白に贈る
秋来(しゅうらい) 相顧みれば 尚お飄蓬(ひょうほう)たり
未だ丹砂(たんしゃ)を就(な)さずして葛洪(かつこう)に愧ず
痛飲(つういん) 狂歌(きょうか) 空しく日を度(わた)り
飛揚(ひよう) 跋扈(ばっこ) 誰(た)が為にか雄(ゆう)なる
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■ 杜甫 李白を詠う


302 贈李白 七言絶句  


単父での交遊のあと、李白と杜甫は高適と別れ、二人は斉州(山東省済南市)へ行くことになりました。
 斉州に着くと、李白は斉州の道観紫極宮の道士高如貴(こうじょき)のもとに入門します。杜甫は、斉州司馬として斉州に赴任していた太宗の玄孫で皇室の一員である李之芳(りしほう)のもとに身を寄せます。

(745) 杜甫は翌天宝四載(745)の夏の終わりまで斉州にいて、李之芳の知人や斉州の知識人と交流して過ごします。秋になると斉州を出て魯郡の李白の家を訪ね、しばらく李白といっしょに暮らします。李白は道士の修行を終えると、魯郡の「魯の一婦人」と称される女性のもとで日を過ごしていました。魯郡では杜甫は李白に連れられて、道士や隠士のもとを訪れたりしますが、杜甫は道教や隠士の生活にあまり深入りはしませんでした。
 掲げた詩は、そのころ杜甫が李白に贈った作品とされています。


贈李白
秋来相顧尚飄蓬、
未就丹砂愧葛洪。
痛飲狂歌空度日、
飛揚跋扈為誰雄。

秋になり顔を見合わせると  瓢か蓬のように頼りない
いまだ丹砂にも辿りつけず  葛洪に合わせる顔がない
飲み明かし  歌い狂って  空しく日を送り
飛び跳ねて暴れているが  誰のためにやっているのだ






いまだ官途にも就けずに魯郡のあたりをさまよっている自分自身を批難しているのです。天下国家のためにつくすのが自分たちの役割ではないかと反省している詩と思われます。

 昨年の秋に梁宋の旅に出てから、すでに一年が経過しています。このころ杜甫の父杜閑は奉天県(陝西省乾県)の県令になっていたらしく、杜甫は父から長安に出てくるように促されていたと思います。やがて李白と杜甫は、魯郡曲阜の東北にある石門山の林中で別れの杯を酌み交わします。
   魯郡東石門送杜二甫  李白





秋来相顧尚飄蓬、未就丹砂愧葛洪。
痛飲狂歌空度日、飛揚跋扈為誰雄。

 李白に贈る
秋来(しゅうらい) 相顧みれば 尚お飄蓬(ひょうほう)たり
未だ丹砂(たんしゃ)を就(な)さずして葛洪(かつこう)に愧ず
痛飲(つういん) 狂歌(きょうか) 空しく日を度(わた)り
飛揚(ひよう) 跋扈(ばっこ) 誰(た)が為にか雄(ゆう)なる





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